ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち (感想・ネタバレ)
あらすじ
フロリダで生まれ育ったジェイクは、周囲になじめない孤独な少年。そんな彼の唯一の理解者である祖父が謎めいた死を遂げた。
祖父の遺言に従って小さな島を訪れたジェイクは、森の奥で古めかしい屋敷を発見。そこには美しくも厳格なミス・ペレグリンと奇妙なこどもたちが住んでいた。
やがて彼らと心を通わせ、夢のような時間を過ごしたジェイクは、自らに宿ったある力に気づき、屋敷に迫る恐るべき脅威に立ち向かっていくのだった…。
映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』オフィシャルサイト
映画館で観たかったのですが、都合が合わず、泣く泣く諦めた作品。
ようやくDVDを借りて観ました。
この映画は、ティム・バートン監督の作品
ティム・バートンの代表作といえば
「シザーハンズ」
原作者として
などなど
夢のような雰囲気の、不思議な世界観の映画を数多く作製しています。
ファンタジーでありながら少し怖い雰囲気のある映画が多く、私好みのものが多いです。
ティム・バートンが監督の映画だと聞くと、私の中でハードルが上がってしまう部分はあるのですが…
ティム・バートンのダークファンタジー!『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』予告編
今回の作品
「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」は、どうだったかと言うと
面白かったけれど、私はアリス・イン・ワンダーランドの方が好き
という感じです。
特殊な能力を持つという時点で、既にX-Menと被ってるし…
X-Menも全シリーズ観ているくらい好きなので、被っていたところで全く問題はないのですが、やっぱり、世界観も登場人物も、アリス・イン・ワンダーランドの方が好きですね。
アリス・イン・ワンダーランドは2作目まで出ているから、それぞれのキャラが立っていると感じるのか。
それとも、単純にアリス・イン・ワンダーランドのキャスティングが私好みだからでしょうか…(声だけでもアラン・リックマンが出ていると嬉しいです。)
兎に角、
この「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」は
不思議な能力を持つ、こどもたちのお話です。
ティム・バートン監督らしく、少し怖い雰囲気もありつつ、ワクワクするような戦いのシーンもあって面白かったです。
この映画の魅力は、個性豊かな登場人物にあると思います。
子供が主役であるだけに、彼らの成長も楽しさの1つ。
そして、主題歌
With That You Were Here
映画の雰囲気とマッチしていて、お気に入りです
Wish That You Were Here (From “Miss Peregrine’s Home for Peculiar Children”)
以下、ネタバレあります
①思わず応援したくなる主人公、ジェイク
ジェイクは、不可解な死を遂げた祖父エイブの言葉の真相を知るべく、父親とイギリスのウェールズにやってきます。
始めは気付いていませんでしたが、彼には、
他の人には見えないものが見える
という、地味ながら重要な能力があります。
日常生活では役に立たないけれど、だからこそ、ジェイクはこの年齢になるまで普通の人間として生きていく事ができたんですね。
ジェイクが見えるのは
生き物、特に能力のある子供達の目を食べるモンスターの姿
ジェイクは、このモンスターの姿が見える唯一の存在なので、
必然的に、「皆が自分を頼る」という立場に置かれます。
そのお蔭で、ジェイクはどんどん勇敢で行動力のある人間へと成長していきます。
そして、ジェイクと、空気よりも軽い少女、エマの恋も見所です。
エマがいたからこそ、ジェイクは頑張れたんだろうと思います。
皆を守ろうとする
そしてエマに会おうとする
ジェイクのひたむきな姿がなんだか微笑ましくて、応援したくなりました
私が年を取ったからか?
年のせいで、若さが微笑ましいのか
そんなことを思いながら観てました。
②個性的なこどもたちが魅力
ジェイクが出会った奇妙なこどもたちは、色々な能力を持っています。
個人的には、ジェイクを軽々持ち上げた怪力ハグが可愛くて一押しです。
私も経験してみたいです。
後半の戦闘シーンでは、年上の子供達(ジェイク、イーノック、オリーブ)と引けを取らない活躍ぶりを見せてくれます。
あらゆる植物を成長させることが出来ます。
他のこどもたちに比べて即効性?のある能力ではないけれど、植物を成長させる方向や大きさまで操れる、結構凄い能力の持ち主です。
後頭部に牙の生えた口がある。
彼女の前の口は、飾りとしての物なんでしょうか。
内気な性格のため、戦闘シーンでは余り前にでる事もなく、守ってもらう立ち位置でした。
お人形さんみたいで可愛い。
とは言え、あの鋭い牙で噛み付かれたら、痛いどころじゃ済まない気がします…
夢をスクリーンに映す能力。
予知夢を見る事もあるようです。
予知夢を見る能力が、後半の戦いの場面で大活躍するのかと思いきや、
あれ?意外と、そうでもない?
戦闘シーンでは何をしていたのか思い出せない
どこかで、活躍してたっけ?
と疑うくらいに、戦闘シーンでの彼の記憶がないです…
ごめん、ホレース
体の中に大量のハチを飼っています。
口を開ける食事の時は、虫よけの帽子をかぶっている。
という事は、彼は常に鼻呼吸なのか…
あのハチは、どこから栄養を貰っているのか少し気になる所です。
ヒューが食べたものから栄養を貰っているのか、
それとも、外に出て花の蜜を取ってくるのか
両方でしょうか?
ヒュー、ブロンウィン、フィオナ、クレア
この子たちは物静かな印象
唯一、ホレースが(英国紳士のような)性格をしているんだなと分かる台詞を言っていました。
台詞は余り無かったけれど、それぞれ能力面で個性が際立っていたので◎
③エマは実は強靭だと思う
エマは、鉄製の靴を履いていないと地面に居られないほど、軽いです。
この靴を脱ぐと、ヘリウムガスの入った風船みたいにフワフワ飛んでいきます。
鉄製の靴で押さえつけられて生活するなんて、
足の甲、痛そう…
あんな靴を履いて、平気で歩いているエマは凄いです。強いです。
そして、軽いだけかと思いきや、空気を操ることもできるとのこと。
中盤の海底に沈んだ船でのシーンで、エマが余りにも大量の空気を出すので
肺活量スゴイ…!
と思うと同時に、
空気出し過ぎて、エマが消えて無くなりそう…!
と要らぬ心配をしていました。
④奇妙度No1のイーノックと、素直で可愛いオリーブ
個人的奇妙度No1のイーノックは、主人公のジェイクとの関係と、オリーブとの関係がそれぞれ見所です。
イーノックは、物に命を与え、それらに命令することが出来ます。
「戦え」と命令するだけで物が戦ってくれるので、戦闘シーンでは骸骨軍団の司令塔として大活躍しました。
疑り深いのか嫉妬深いのか、少なくとも素直な性格ではない性格のようです。
能力と本人の性格が相まって、かなり奇妙度が高いです。
始めは主人公のことを認めない立場だったのに、後半になって割とアッサリ受け入れたのは、なりふり構っていられなくなったからなのかな?
ツンデレを期待していたのですが、デレを見せたのは、ジェイクにではなくオリーブにでした。
ジェイクとの友情的シーンは、特に無し…
ラストシーン辺りで、ジェイクと2人で会話する画が欲しかったです。
オリーブは素直な良い子なので、彼女の想いがイーノックに伝わったことは嬉しいです。
⑤透明人間のミラードは、速く動く能力もあるのかな
ミラードは、服を着ないと、全く見えない。
普段から帽子をかぶっているのは、頭がどこにあるか分かる様にするためだと思われます。
ジェイクがエマたちと出会う、最初のお店のシーンでは、凄い勢いで移動しながら、お皿やジョッキを飛ばしていました。
幾ら透明だからと言って、あの速さで動き回れるミラードは凄いです。
ジェイクが念力を疑うくらいの早業です。
きっと、あのお店のなかで猛ダッシュしていたんでしょう。
ミラードは茶目っ気のある性格で、
性格、能力共に、最も確立されたキャラクターだと思います。
⑥ミス・ペレグリンと白の女王が似ている
ミス・ペレグリンは、時間を繰り返すことができ、鳥(ハヤブサ)への変身能力を持つ。
最適な場所と時間を選び、子供たちを守る役割を持っています。
時間を操る能力を持つせいか、時間に厳しい。
厳しい人なのかと思いきや、所々でこどもたちに甘いというか、過保護な印象を受けました。
ミスペレグリンの雰囲気や所作が、アリス・イン・ワンダーランドの白の女王に似ていました。
手首から上の独特な動きが特に似ていて、所々で白の女王がフラッシュバック
くる、くるりんぱ
ティム・バートンは、ああいうミステリアスな女性が好みなんでしょうか?
⑦大取の双子!!その能力は…!
見た目は、ダントツで一番奇妙!
え、殺人鬼ですか?
いや、呪怨か?
この二人、実は名前が無いんですね。
公式でも「双子」としか記載されていないなんて…
彼らの過去は色々と複雑なのかも知れません。
この双子、最後まで能力が分からず、何の能力だろうかと楽しみにしてました。
私は、映画を観ながら
顔に何かあるんだろうな
見たらヤバいのか、見られたらヤバいのか
それとも、あの袋がないと顔を維持できない?のかな
双子らしく
「2人で1つ!」
みたいな能力なのかな?
正解は
目を見た相手を石にする
まさかのメデゥーサ能力
さ、最初から全力出しとけよ!!
(最後にして全力で突っ込んだ瞬間でした)
十分に楽しい映画でした。
でも、総合点では、やっぱりアリス・イン・ワンダーランドの勝ち…かな
ちょっと話の流れが分かりにくくて、台詞で説明される部分もあったし、登場人物が多すぎて、それぞれを最大限に生かしているか微妙だったので。
登場人物が個性的なぶん、生かしきれていないのが残念です。
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