映画の銀河で感想を言いたくて

映画の感想を気ままに書きます。更新頻度は低めですが、地道に続けていきます

ファイトクラブ(感想・ネタバレあり)

ファイトクラブ

f:id:lanri-th:20170831014627j:plain

Amazon CAPTCHA

 

あらすじ

平凡な会社員である主人公は、不眠症に悩んでいた。主人公は、医師の勧めで自助グループに参加し、癌患者と泣く事により、精神的な安らぎを得た。これを機に、主人公は患者と偽って、自助グループ通い始める。不眠症が改善し、精神的な安定を得た主人公は、自助グループで、あきらかに患者ではない女、マーラと出会う。彼女の存在によって、主人公は自助グループで泣けなくなってしまう。

不眠症が再発した主人公は、自分と葉正反対の性格をもつ男、タイラー・ダーデンに出会う。タイラーが「俺を殴れ」と主人公に頼んだことがきっかけで、2人は、本気の殴り合いを行う仲になる。始めは2人で行っていた殴り合いも、次第に参加者が増え始めたことで、タイラーは、1対1でファイトを行う、「ファイト・クラブ」を結成する。

 

 

前回記事にした、ベイビードライバーで、映画内のテレビ画面でファイトクラブのシーンが一瞬出て来たので、ファイトクラブの感想も書こうと思います。(少し前に観た映画なので、色々間違っているところがあるかも知れませんが、ご了承ください。)

 

 

ファイトクラブは、

ブラッド・ピッドが格好良い!

そう聞いて、観た映画です。

 

元々は、ブラット・ピットが大好き!と言うわけでは無かったんですが(失礼)、この映画で好きになりました。

 

ブラッド・ピッドは悪い男が似合いますね。

 

ファイトクラブを観て以降、ブラット・ピットが良い人を演じている映画は、

何か違う気がする…

そう思うほどになってしまいました。(褒めてますよ!)

 

そして、主人公のエドワード・ノートン

 

演技力が凄い

 

ファイトクラブでの、狂気的な演技に痺れました。

 

この映画は

少なくとも、2回は観るべき

と思っています。出来たらもっと観て欲しい。

 

全部観てから、もう一度観ると、別の見方ができて面白いです。

観るたびに、発見がある作品です。

 

 

以下、ネタバレ含みます。

 

ややこしいので、

エドワード・ノートンが演じる役を「主人公」

ブラット・ピット演じる役を「タイラー」

として書いていきます。

 

 

自助グループで色々解放しちゃったのかな?

 

不眠症に悩む主人公は、医師の勧めで自助グループに通い始める。

 

こういう自助グループは、アメリカのドラマとかで観た知識しかないですが、

見知らぬ人に自分の話をすることで、心の安定や承認欲求を満たす場所

なんだろうと解釈しています。

 

映画を観ながら、

 

自分の社会生活には関係のない人達に、悩みや意見を聞いてもらう場なのかな。

話すことって精神的に良いことなんだな。

 

と、どうでもいいことを考えていました。

 

様々なグループに通うことで、主人公は精神的に安定していきます

 

癌でもないのに末期癌患者としてセミナーに参加したり。

悩んでいるふりをして参加したり。

 

主人公は、たとえ嘘であっても悩みを告白する。

そして、泣く事で精神的に解放される。

 

これがきっかけで、タイラーが姿を現し始めたんだろうなと思っています。

 

自助グループで、自分の本心を語る人達に感化され、

自分を解放して良いんだ

思うままに生きていいんだ

と思うようになり、自分を解放した結果、タイラーが現れたんじゃないかと思っています。

 

②この映画の登場人物は、皆ヤバい

 

主人公に、俺を殴れと言ったタイラー。

うん、ヤバい人決定。

頭おかしい。

 

 

ファイトクラブで、美形の若い子をボコボコにする主人公。

 

この男の子、タイラーに気に入られているから嫉妬したんだな。

主人公もタイラーと同じくらい、ヤバいなぁ。

 

そして、タイラーにサイコ野郎と冷たく言われ、

「美しい物を壊してやる」(そんな感じの台詞)

そう言った主人公は、殆ど無表情。

 

ここから、愛と憎悪の話が始まるのか?

 

そう思いながら観てました。

実際は違いましたけど…

 

ヤバい人に魅力を感じた人達が集まったら、そりゃヤバい軍団になりますよね。

タイラーの人望もあり、ここから、どんどんファイトクラブが危険な組織になっていくわけです。

 

決して、いい女としての登場ではなかった、精神を病んでいたように見えたマーラが、一番常識人で良い人に見える不思議…

 

③嫌な奴から始まったマーラが、一番の理解者に

 

主人公が通っていた自助グループに、明らかに浮いてる女の人が…

 

f:id:lanri-th:20170831022958j:plain

 

主人公は、嘘ついてるけど、まだ良いよ。地味で馴染んでるから。

それに引き換え、真っ黒い服とタバコって…

いやいや、何かしらの病を患ってる人の集まりだからね。

もう少し馴染む努力しようよ。

そんな格好していたら、主人公じゃなくても気にするって。

 

そんな浮いた女、マーラと出会う事で、主人公は不眠症を再発。

 

主人公は、自分の感情を吐き出す人たちの中で、自分も感情を出して、それに安心感を覚えていた。

なのに、感情を出さない謎の女が目の前に現れたら…。

うん、確かに気になるし、気に入らない。

 

始めは主人公も、

「マーラは腫瘍のような女だ」

と言っていたけれど、次第に惹かれ合っていくのは、結局似た者同士だったからからだと思っています。

 

最終的に、マーラは

主人公の信者じゃなく、対等な唯一の存在

になったんじゃないでしょうか。

 

主人公にとっては、悪魔というより、天使…

ダークエンジェルですね(笑)

 

④ブラット・ピットが格好良い

 

ブラット・ピットは、ユニークで危険な石鹸売りの男、テイラーとして登場。

「俺を殴れ」のヤバい人です。

 

f:id:lanri-th:20170831023340j:plain 

映画グッズ専門サイト|シネマーズ

 

 

前評判で、

ブラット・ピットが格好良い!

と聞いていたので、多少ハードルが上がった状態で観ました。

 

結果…

格好良かったですね!

 

冒頭でも書きましたが、ファイトクラブを観て以降、

ブラット・ピットに良い人は似合わない

と思ってます。

 

それくらい、ファイトクラブでブラット・ピットが格好良かった。

 

鍛えてあるなー

良い体してるなー

とは思いましたけど、筋肉が良かったとか、殴り合うところが良かったのかというと、そうじゃないんです。

 

赤いジャケットが似合う。

サングラスが似合う。

ノリが軽めの悪人のイメージにピッタリ。

 

ノリは軽いけど小物感は無く、どっしりした大物感。

このタイラーは、敵にしちゃダメだと思わせる迫力。

 

うん、素晴らしい!

 

エドワード・ノートンの演技力に痺れました

 

後半に、主人公が自分で自分を殴るシーンがあるのですが、

 

ここでは、主人公への感想以上に、役者さんの演技力が凄いなと感動しました。

(主人公に対しては、「あー、ファイトクラブで悪影響受け過ぎ。色々馬鹿になってるなー。」くらいしか考えてませんでした。)

 

主人公役の、この人、凄い!

 

シンプルに、そう思いました。

 

この凄い人、誰?

ふむふむ、エドワード・ノートンっていうのね。

 

あのシーンで、1瞬にして好きになりました。

いつか、他のエドワード・ノートンの出演作も、観てみたいなと思っています。

「真実の行方」「スコア」「アメリカン・ヒストリーX」…

 

エドワード・ノートンのデビュー作、「真実の行方」

f:id:lanri-th:20170831023839j:plain

Amazon CAPTCHA

 

その後も、エドワード・ノートンの演技力が光るシーンばかり。

 

タイラーから、真実が告げられて以降の、

タイラーと2人で(本当は主人公1人で)殴り合うシーン

タイラーに瓶の飲み物を渡すが、実際は主人公しかいないので、瓶が手から離れ、地面に落ちて割れるシーン

印象に残っています。

 

⑥最後にやってくる驚きの展開

 

初見では、映画を観ながら

どんなエンディングになるんだろう?

そう思ってました。

 

主人公とタイラーが始めたファイトクラブ

 

ルールを決め、クラブに参加する人を厳選していくことで、タイラーの人望によって成り立つ組織になっていく。

 

内輪で楽しむものだった筈のファイトクラブが、ついに、主人公の知らないところで、犯罪を犯す反社会組織に…

 

ヤバい方向に自体が進んでいて、主人公も組織も、もう戻れない雰囲気。

 

うーん、これ、主人公はどうなるんだろう。

タイラーに反発して、殺されるのか?

タイラーに染まって、闇オチするのか?

それともタイラーを殺しちゃうかな?

 

或る意味、間違いじゃない部分はあったのですが…

それ以上に、色々違ってましたね。

 

そして、後半の謎解きシーンへ。

 

タイラーを探し、あちこち回る主人公。

少しづつ仄めかされる真実に、混乱。

 

主人公も混乱していましたが、私も同じくらい混乱しましたよ。

 

バーテンに、「タイラーはあなたですよ」と言われた主人公

(私は、タイラーが主人公の顔に整形でもしているのか?と思ってました。)

 

そして、主人公は、混乱しながらもマーラに電話

(私は、何でマーラに電話して、自分の名前を聞いてるんだろう?と思ってました。)

 

マーラの台詞

「あなたはタイラーでしょ?」

 

 え?どういうこと?

 

そしてタイラーが登場し、主人公に

「俺はお前だ。」

と分かり易く説明。

 

そこで、私はようやく理解しました。

この時、私の察しは凄く悪かったです。

主人公より察するのが遅かったです。

 

分かった途端、驚きでドキッ!としました。

 

そういう展開かー!!

 

 

もともと、この映画は、

「ブラットピットが格好良い」

それしか聞いていなかったので、良い意味で裏切られました。

 

どんでん返しがあるんだ

事前にそう聞いていると、ある程度予想してしまうのですが、この時は何も考えていなかったので、驚きが大きかったです。

 

 

この作品には、色々な伏線が張られているのですが、初見では全く気付きませんでした。

 

事実を知ってから、改めて観直すと、

 

主人公とタイラーが2人で会話しているシーンはあっても、第3者がいる場面では、主人公とタイラーは一緒の画に映らない。

 

マーラも、主人公とタイラーが同一であることを示唆する台詞を、何回か言っている。

 

などなど…

 

本当に作り方が上手い画だなと思います。

そして、主人公とタイラーが同一である可能性に初見で気付けなかったのが悔しい…!

 

 

⑦よく分からなかったエンディング

 

最終的に、タイラー(自分の顎)を撃つ事で、タイラーを制した主人公。

 

そして、銃で顎をぶち抜いた血まみれの主人公が、マーラと手を繋ぎながら、次々と爆発していくビル群を眺める。

 

このエンディングを観て、私は、

 

何この結末?

 

主人公は悟った顔してるし、別の人みたいに覚醒してるっぽいけど、よく分かんない。

 

この映画、主人公とタイラーが同一だってわかる部分がピークで、エンディングは惰性だな。

 

まあ、エンディングはなんかよく分かんないけど、ブラットピットの格好良いし、エドワード・ノートンの演技力が凄いから良いか

 

そう思いました。

 

でも、

このブログを書く為に、あらすじをしっかり思い出そうと、色々なレビューや感想、解説を読んで、

 

なるほど、このエンディングには、こういう解釈もあるのか

 

と、目からウロコでした。

ファイトクラブの考察、楽しめました。ありがとうございます。

 

次にファイトクラブを観る時は、エンディングも楽しめそうです!