ベイビードライバー (感想・ネタバレあり)
あらすじ
ベイビー(アンセル・エルゴート)。その天才的なドライビング・センスが買われ、組織の運転手として彼に課せられた仕事―それは、銀行、現金輸送車を襲ったメンバーを確実に「逃がす」こと。子供の頃の交通事故が原因で耳鳴りに悩まされ続けているベイビー。しかし、音楽を聴くことで、耳鳴りがかき消され、そのドライビング・テクニックがさらに覚醒する。そして誰も止めることができない、追いつくことすらできない、イカれたドライバーへと変貌する―。
組織のボスで作戦担当のドク(ケヴィン・スペイシー)、すぐにブチ切れ銃をブッ放すバッツ(ジェイミー・フォックス)、凶暴すぎる夫婦、バディ(ジョン・ハム)とダーリン(エイザ・ゴンザレス)。彼らとの仕事にスリルを覚え、才能を活かしてきたベイビー。しかし、このクレイジーな環境から抜け出す決意をする―それは、恋人デボラ(リリー・ジェームズ)の存在を組織に嗅ぎつけられたからだ。自ら決めた“最後の仕事”=“合衆国郵便局の襲撃”がベイビーと恋人と組織を道連れに暴走を始める―
映画『ベイビー・ドライバー』オフィシャルサイト|ソニー・ピクチャーズ
久し振りに時間ができて、映画でも観ようかなと思い、予告でビビッときた映画。
アクション映画であり、ミュージカル映画でもある!
もともとアクション映画が好き。特に、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを観てから、音楽とアクションのコラボが大好きになっていた私は、この映画は観るしかないと、その足で映画館に行きました。
ノリのいい、クールでイケてる映画を期待してるぜ!
と、どこぞのアメリカ映画に出てくる若者さながらに、映画館へ。
私、音楽は余り知識が無いのですが、十分に楽しめました。
冒頭から、そりゃもう格好良かった。音楽とカーアクションの合わせ技が最高。
格好良すぎて、感無量でした。
冒頭のシーンだけで、映画館で観た価値があった
感動に浸りつつ、この格好良い映画が、
何故なら、予告での予習のお蔭で、この後に女の子が出てきて、ラブストーリーになるって知ってたので。
ラブストーリーはラブストーリーで、始めからそういうつもりで観ると、全然良いんですけどね。
今回は、アクション映画を期待してたので。
きっとアクション映画だと期待を込めて、賭けのつもりで映画館に行ったんです。
そもそも、アクションとミュージカルとラブストーリーって、盛り込みすぎ!
絶対に3つもバランスとれない。
犯罪の世界から足を洗う話なんて、きっとラブストーリーな展開になるんだろうな(偏見)。
どうせ、後半はイチャイチャラブラブした映画になるんだろう(思い込み)
そんなこと思ってスミマセンでした。最後まで格好良かったです。
イチャイチャしてはいたけれど、適度で爽やかな加減で不愉快にならず。
話のなかで、誰かが突然歌って踊り出すという演出も無かったので、ミュージカル映画というよりは、音楽を最大限に生かしたアクション映画でした。
以降、ネタバレが始まるので、ご注意ください!
①兎に角、格好良いカーアクション
曲とドライブも格好良くてドキドキしました。
車が爆走している映像と、ノリのいい音楽って、どうしてこんなにテンション上がるんでしょうか。最強の組み合わせですよね。
冒頭シーンの曲、調べてみたら、「Bellbottoms」っていう曲なんですね。
格好良かったので、忘れない様にメモしておきます。
The Jon Spencer Blues Explosion Bellbottoms
アクションのドキドキもあったけれど、
ベイビーは、いつ失敗するんだろう?この仕事で失敗するのか?そうなのか?
と、ドキドキしながら観ていて、気づいたら映画に引き込まれました。
テキーラの所は、手榴弾持ったあたりから察してたけど、ビシッと決まって気持ち良かったです。
バッツの、「テキーラ…」の一言も、クスっと笑えつつも格好良い。
ああいうシーンは印象に残ります(笑)
②ミュージカル映画でもある
冒頭のシーンで、余りにカーアクションが凄いから、ああ、これはアクション映画なんだな、と思いました。
でも、その次のシーン、最初のクレジットで、溢れるミュージカル感。
カーアクションが1番だけれど、ミュージカル映画でもあるんだよ
と、映画のコンセプトを明確に示された気がしました。
フムフム、やっぱりミュージカル映画でもあるのね。
「カーチェイス版のラ・ラ・ランド」と言われているのだから、そりゃそうか。
こうなったら、ラ・ラ・ランドも観よう。
映画館公開を逃して、観る機会を失っていたので、ちょうどいい機会だと思って、また今度ラ・ラ・ランドのDVD借りてこよう。
Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate. (C)2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved
③ベイビー大好きなボスが好き
ボスが作戦を話している間も、イヤホンで音楽聴きながら、エアーでピアノ演奏をしているベイビー。
「全然聞いてねえけど、こいつ作戦分かってんのか」
そう言われ、ボスに分かったかと聞かれたベイビーは、作戦を一気に喋る。
ベイビー、口も読めるのね。驚異の記憶力、分けて欲しい。
そう思っていると、ドヤ顔するボスのドヤ顔が映って、更にダメ押しの
「This is my baby」(これが私のベイビーだ)
この人、ベイビー好きすぎるでしょ
ベイビーが、それこそベイビーって呼ばれる年の頃から、10年間一緒に仕事をしていて、ベイビーのこと、息子感覚なのかな。
それとも、息子感覚以上にお気に入りなのかしら。
そんなことを考えながらの後半シーン。
ベイビーが失敗して助けを求めても、「ベイビー?誰のことかね。」とあっさり電話を切るボス。
ベイビーのこと、容赦なく切っちゃうんだ。
まあ、仕方ないよね‥
やっぱり、ボスにとって、ベイビーは使い勝手の良い駒なのか
けど、
アジトにやって来たベイビーとデボラを見て、若い頃を思い出したと態度一変。
2人にお金渡して、
「早く逃げろ!」
なんだかんだ言って、やっぱりベイビーのこと、大好きだったんでしょ!
キュンッとしながら、ボスの戦闘シーンへ。
銃構えてバンバン打つところ、格好良かったです。
やっぱり、オジサンがスーツ着て戦ってるところは格好良い!
あのまま、ベイビーのことを見捨てるパターンでも良かったと思うけれど、戦う姿が見られたので満足です。
④最後に本当の覚醒を見せるベイビー
後半の、ベイビーによる車戦闘シーン。
クイーンの「Brighton Rock」
車と車のぶつかり合い
銃の乱れ撃ち
最高です!
Queen - Brighton Rock (Official Lyric Video)
デボラの命がかかってるからか、ベイビー、覚醒してました。
今までのシーンで見せた事ないくらい、戦闘モードの顔をしていました。
目のアップシーンが多いなと感じたけれど、しつこ過ぎないギリギリの所を突いてきた印象です。
緊迫感と気合い、死闘感が伝わる演出だったと思います。
ベイビーの覚醒は良しとして、
最終的に、デボラが悪に染まらなくて本当に良かった。
燃える車を見下ろすデボラが、ヤバい世界に踏み込んでいた気がして、怖かったです…
⑤ちゃんと罪を償う。一番幸せなエンディング
映画を観ながら、終わり方は、どうなるんだろうと気にしてました。
逃亡オチか、死にオチか?
結果
デボラの為に、逮捕される道を選んだベイビー
その判断は素晴らしい。
安心しました。
デボラは、(出会ってからの日数のわりに)ベイビーにベタ惚れしている様子だったし、かなり追い詰められていたし、若さも相まって、
2人で逃避行しようぜ!この金で国境超えるぞー!
ってなるんじゃないかと思っていたので。
闇落ちも悪くなかったけど、2人の将来を考えたら、一番良いですよね。
ベイビーも、これからは、きちんと生きていく事でしょう。
就職先は、やっぱりピザ屋かな?
⑥気が付いた小ネタやら感想
最後の、ボスとのエレベーターでのシーンで、ボスの「お前はドライバーだ。25年間走り続けられる。」みたいな台詞、逮捕後の懲役25年(実際は、20年仮釈放)の伏線になっていたのか。
ボスの車を泥棒した、ベイビーの子供の頃の技術、10年経っても衰えてなかった。
2回目の仕事で出てきたアジア系の人、ボスに殺されちゃったけど、何故だったんだろう。
それとも彼は、ボスじゃなくてバッツに殺されたのかな。
役立たずだとは言っていたけど、殺す必要あったのか?という疑問。
ボスは、どういう立ち位置なのか。
大物犯罪者で、周りから一目置かれている身ではあるんだろう。
犯罪計画を立てて、それに適した人を雇って儲けているのは理解したけれど、雰囲気がマフィアのボス的というか。
でも、大きな組織を持っているわけでは無さそうだったので、飽く迄、個人営業なのか。
途中、テレビ中の映像に出てきた、ファイトクラブのブラットピットに、おおっ!ってなった。
総評
ノリのいい、クールでイケてる映画!
でした!
もう一回、映画館に観に行ってもいいなぁ。